penelope(Live at Yotsuya"möbius")
 手から離れてしまえばスプーンは床へ落ちる。いつまでも落ちていければ自分自身の重力で丸くなっていく。どんなに潜っても深くにあるものをなかなか掬えない。
 小さな花を挟んだ本はまだ図書館のどこかで目を閉じている。もう見付かったろうか。でもどの本に隠したか思い出せない。別に探すつもりなんてないけど気になる。

 崩れたビルから伝わる歌声が水たまりに波紋を描くだろう。